2022/01/24
山茶花
先日、沼津市へ出向いた先の路地際に複色の山茶花が咲いていました。
赤と白の花びらの組み合わせって大好きです。
でも、パンフラワーとして作るのは難しいですね。
私も作ったことがあるのですが、満足な作品には仕上がりませんでした💦
まだまだです…。
またトライしなければ!
なんて、赤白模様の山茶花をみると思い出しましたが、今思うとあれは山茶花だったのか?
椿だったのか?
今日は山茶花と椿の見分け方についてお話します。
山茶花の開花時期は10〜4月。
椿は12月からですので、山茶花の花の方が先に見られます。
花は雌しべが椿のように筒状にはならず、花も平たいです。
そして散る時は椿のように首からポトッと落ちないで、花びら一枚づつ散っていきます。
葉は椿に比べて小さく、葉の縁には深いギザギザがあり、厚みもあります。
葉の裏を見ると葉脈にそって毛が生えています。
椿の葉には毛が無いし、縁のギザギザもなく、あっても浅いです。
山茶花はよく見ると枝にも毛があります。
椿と同じツバキ科ツバキ属の常緑樹ですが、育っても低木で5m位までです。
椿は20m位まで大きくなったりするのもあります。
見分け方、なんとなくわかりましたか?
冬の花の少ない時期に、葉っぱが茂り、花をたくさんつける山茶花は目立ちますね。
伊豆の国市では、よく家の垣根として植えている家が多いです。
たいがいピンクの花をつけている山茶花が多いので、山茶花はピンクだけかと思っていました。
だから白や赤や複色の花は椿かと(笑)
実は違っていたんですねー💦
沼津市で見かけた山茶花をよく観察してわかりました。
山茶花の花びらには、陰干しして乾燥させてから煎じて飲むと、滋養強壮や胃腸を整える機能があるとのこと。
その場合には、10gの乾燥花を500ccのお湯に入れて半分まで煮詰めたものを、一日一回飲むと良いそうです。
新鮮な葉には消臭・殺菌作用のあるタンニン。
抗炎作用のクロロフィルが含まれているので、すり潰して傷口に塗ると傷が早く治るそうです。
山茶花が民家の敷地に多く植えられているのは、先人たちはそういった効果を知っていたからかもしれませんね。
2022/01/14
カカシ
伊豆の国市の冬は天気がよいせいか暖かいです。
時々天候の悪い日もありますが、長くは続きません。
雪も一年に一回降るか降らないかです。
とはいえ、ずっと屋外にいるのは寒いですね。
でも毎日、真夏も真冬も畑で農作業をしているおばあちゃんがいるんですよ。
と、思っていたら、カカシでした(笑)
カカシ(案山子)
田や畑の中に設置して、作物を荒らす鳥などの害獣を追い払うための田畑に立てる竹や藁などで作った人形。
カカシの語源は「嗅がし」ではないかと言われています。
鳥獣を避けるために、髪の毛や、魚の頭や獣肉を焼いて串に通し、地に立てたものも「かかし」と呼ばれるためです。
嗅覚による方法であり、これが本来のカカシの形であったと考えられています。
でも現代は巨大な目玉の風船や、揺れる物など、動いて鳥を寄せ付けないようにするカカシが多いですね。
(カカシっていうのかしら?)
大きな目を恐れる本能や、動くものに警戒する習性を利用した鳥よけなわけです。
それならば、畑にしゃがんで動かないおばあちゃんは効果があるのかしら?
人が農作業をしている間は、鳥獣は近づきませんが、鳥獣だって学習能力があります。
いっとき音で鳥獣を追い払うやり方も出たようですが、一定の期間がたつと効果がなくなったそうです。
だとしたら、いつも同じ場所に同じ姿勢で動かないおばあちゃんカカシはなんのため?
などと考えてみました(笑)
私の答えは、おばあちゃんカカシが畑のオーナーや地域の皆さん愛されているのではないでしょうか?
地域によってはなんですが、カカシは田の神の依座だとして「カカシ上げ」「カカシ祭」があります。
作物の収穫後、カカシを集めて焼いて祀る行事です。
これを伊豆の国市の農家がしているのかどうかは知りませんが、少なくても何年もおばあちゃんカカシはそこの畑にいます。
鳥獣を払っているかも定かではありませんが、ずっと畑にいるってことは、大切にされているのかな?
本当に、声をかけたくなってしまうようなおばあちゃんカカシなんですよ。
もし、伊豆の国市のイチゴのビニールハウスがたくさんある韮山で、道路沿いの田畑に一人ポツンとしゃがみこんで農作業をしているおばあちゃんがいたら、よく見て下さいね。
おばあちゃんはカカシかもしれませんから。
2022/01/05
千両
明けましておめでとうございます。
2022年ですね。
今年もコロナがまだ収束しませんが、日々の生活や活動が広がっていく事を願っています。
さっそくですが、新年初のお題は「センリョウ」です。
去年、ナンテンについて書きましたが、そのナンテンを分けてくれた伊豆の国市の友人から、今度はセンリョウの枝を分けてもらいました。
新年早々、縁起物があるってなんだか嬉しいです。
去年もらったナンテンはまだ花瓶に活けてあるのですが、紅葉した葉は散ってしまい、今は緑の葉っぱだけついた枝を飾っています。
なので、今回もらったセンリョウには赤い実がたくさんついていて嬉しいです。
センリョウとマンリョウは同じ赤い実で、鑑賞期もほぼ同じなので一緒にされやすいですが、センリョウはセンリョウ科。
マンリョウはサクラソウ科。
実は別物なんですよー。
両方ともお正月の縁起物として人気がありますね。
昔の人は、センリョウやマンリョウなどが小さな赤い実をたわわに成らせる様子に、お金がたくさんたまったように見立てて、縁起物の象徴となったそうです。
センリョウは暑さに強く、寒さにもまぁまぁ耐えられるし、日陰でも育つ常緑小低木。
大きさが80cm〜1m位なので狭い庭でも育つため、伊豆の国市では以外とあちこちの家で見かけます。
ほとんどが赤い実ですが、たまに黄色い実をつけたキミノセンリョウも一緒に植えてあったりします。
共に鑑賞期(実のなる時期)は11月〜1月なので、赤と黄色の実が隣同士にあると綺麗ですね。
花は6月に咲くのですが、とても小さいので気が付かない人も多いと思います。
やはりセンリョウは赤い実とトゲトゲの葉っぱがいいですね!
センリョウは私のパンフラワー教室で、初等科のカリキュラムに入っているんです。
生徒さんは小さな赤い実をたくさん作り、トゲトゲの葉っぱを4枚一組にして実と一緒にガーランドします。
花のパンフラワーを作るのと違い、工程や作業は単純ですが、たくさんの実を作り、葉っぱに切り込みを入れていく作業は面倒くさいですよ。
でも生徒さんは年末に素敵なセンリョウを仕上げて帰りました。
お正月に間に合って良かったです。
私は自分が作ったパンフラワーのセンリョウは、実家に渡したままなので、お友達から本物のセンリョウが届いて嬉しいです。
良い事がありますように。
それでは今年もパンフラワー アトリエNOBUをよろしくお願いします。
2021/12/23
なまはげ
先週末から今週初めにかけて、親戚の結婚式出席のため秋田県へ行って来ました。
東北地方は初めてなので、行くと決まった時点からずっとワクワクしていました(^o^)
秋田駅に着いてからは、テンション上がりっぱなしでした(笑)
秋田駅ではまず、巨大な秋田犬のぬいぐるみがお出迎えしてくれて、その横にはこれまた大きな赤と青のなまはげのお面がセットで置いてあり、顔ハメもあります。(もちろんハメました)
天井には、サキホコレの提灯が帆のように飾ってあり、それだけで秋田へ来た!って実感できます。
でも一番秋田を実感したのは、駅を出ると道路が雪で白いこと!
小雪が舞っていて、空は灰色で、とても寒い空気。
伊豆の国市から来た私にとって、秋田の寒さを体感したのは感動でした。
空気の冷たさが違いますね!
若い頃はスキーで北海道や長野に行っていたのですが、その寒さはもう忘れているので、久しぶりに本当に寒いと思いました。
でも、雪ってやっぱり素敵♡
(こんなことを言う事じたい、伊豆の人間ですね)
さて、秋田と言えばまず出てくるのは
・なまはげ
・きりたんぽ
・米どころ
・秋田犬のマサル
・稲庭うどん
・いぶりがっこ
これらをまず思い浮かべました。
その中でも筆頭の「なまはげ」について少し紹介します。
(前置きが長くなってすみませんでした)
秋田県の男鹿半島周辺で行われてきた年中行事で、仮面をつけて藁の衣装をまとった神の使いがなまはげです。
神の使い=来訪神なんです。
「来訪神・仮面、仮装の神々」の一つとしてユネスコの重要無形民族文化財にも指定されています。
角がありますが、鬼ではないんです!
本来、鬼とは無縁の来訪神でありましたが、近代化の過程で鬼と混同され、誤解がとけないまま鬼の一種に組み込まれ変容してしまったのですね。
なまはげは、怠惰や不和などの悪事を諫め、災いを祓いにやってくる来訪神なのです。
家々を巡って厄払いをしたり、怠け者を諭したりする神です。
大晦日の行事として、
年の終わりに大きな出刃包丁(又は鉋)を持ち、鬼の面、ケラやミノのような用具、ハバキをまとってなまはげに扮した村人が家々を訪れ
「泣ぐ子(ゴ)は居ねがー」
「悪い子(ゴ)は居ねがー」と
奇声を発しながら練り歩き、家に入って怠け者や子供や初嫁を探して暴れます。
家人は正装をして丁重にこれを迎え、主人が今年一年の家族のしでかした日常の悪事を釈明するなどした後に、酒をふるまって送り帰す。
という行事です。
ちなみに赤い面がジジなまはげ。
青い面がババなまはげ。
として一対になっています。
お土産になまはげの土鈴を買うのに、店員さんに赤と青とどちらが人気がありますか?と聞いたら、赤い方がよく買われるとの答えでした。
実は私も赤い方を買ってました(笑)
やっぱり青いのも買ってくればよかった…
パンフラワーの粘土で作れなくはないけれど、鬼の顔は難しそう。
温暖な静岡県。
その中でもとくに温かい伊豆の国市や沼津市や三島市の人間にとって、秋田市は気候でも文化でも興味深い旅行でした。
雪景色を眺めながら、そう感じました。
2021/12/07
ナンテン
晩秋から初冬にかけて真っ赤な実をつける「南天」
めでたい縁起物として、お正月にも飾られますね。
ナンテンの何がめでたいのか?
それはナンテンの名前が「難を転ずる」と置き換えられるから。
江戸時代は火災除けとして植えられたそうです。
さらには玄関先に飾って魔除けともされていたとか。
福寿草とセットで飾り「災い転じて福となす」
縁起木として古くから珍重されていたんですね。
ナンテンはメギ科の常緑低木で、普通は3mくらいの木です。
原産は中国なので、名前の由来も漢名の「南天燭」「南天竹」からきているようです。
赤い実が灯火のように見えるから南天燭。
葉の形が竹の葉に似ているから南天竹。
中国でも南天とつくんですね。
花言葉は実の色によって違います。
赤い実は「私の愛は増すばかり」「幸せ」「よき家族」
白い実は「深すぎる愛」「募る愛」
赤も白も、愛がテーマになってますね。
愛がいっぱいのナンテンですが、実には微量の毒があるので食べないで下さい。
でも、咳止め薬には使われていたそうです。
葉は殺菌や防腐効果があるため、赤飯の上にのせたりして使われました。
丈夫で育てやすい木ですが、日当たりが悪いと実がつかないそうです。
パンフラワーで作ったら、私だったら実をいっぱいつけちゃいそうです(笑)
先日、伊豆の国市の友人宅に植えてあるナンテンが紅葉していて綺麗だったので、少し切り分けてもらいましたが、実はあまりついていなかったです。
でもそのかわり、紅葉した葉っぱの赤はとても美しく、緑の葉っぱに混じってとても映えていました。
ところで、「ナンテン組」って聞いたことがありますか?
生け花にしてもナンテンは長持ちして一番最後まで残っている枝なので、酒席で最後まで残って飲み続ける人達のことを「ナンテン組」と呼ぶそうです。
忘年会の季節がら、ナンテン組を思い出してしまいました(笑)