2022/02/15
椿
前々回に山茶花にふれたので、椿のことにもふれておきたいと思います。
ツバキ科ツバキ属。
日本を代表する花木で、海外でも近年非常に人気の高い樹木です。
万葉集にも記述があるくらいで、縄文時代の遺跡からも種が発見されています。
茶花のなかでも格の高い花で、「茶花の女王」と称されていますし、木材は強度が高く質も均一なので、印鑑や漆器や彫刻にも使われます。
油は髪や肌に良いといわれ、椿油は現在でも化粧品として使われていますね。
身近な樹木ですが、5〜20mくらいまで大きくなり、
花は赤、ピンク、しろ、複色、混色とあって華やかです。
開花は12月〜4月くらいまで。
日当たりが悪い場所でも育ちますが、直射日光の当たりすぎない場所で、比較的明るい日陰が好まれます。
邪気を払う木として家の境に植えられることが多い他、神社や寺にも多いです。
日本では常緑よ植物を神聖視する文化があるので、椿を神社の御神木としている地域もありました。
よく「椿は首が落ちるようにちるから不吉」と言われますが、江戸時代に町民にも園芸を楽しむ文化が広がり、椿も町民の間に広まっていきましたが、それを阻止しようとした武家の人がこのような噂を流したそうです。
いろいろなとり方をするものですね。
私は椿を御神木としている神社に行った時、山の中の境内を歩いていて、足元に椿の花がたくさん落ちているのに椿の木をみないので不思議に思って周りを見渡したのですが、上を向いたら椿の花が見えました。
そうです、木が大きすぎて椿の木だとはわからなかったんです。
幹も太く、枝が上の方にはっていたので、花まで見えなかったのでした。
(花が落ちたあとでしたし)
かろうじて残っていた花と、下に落ちた花がなければ椿の木があるとはわからなかったと思います。
山茶花のように花びらが一枚一枚散っていたら、あんな大きな木では広く舞ってますます気が付きませんね。
首からポトンと落ちることで、存在感が増しました。
他の花とは違う憂いと優美さを感じさせる散り方も、椿の存在を高めていると思いませんか?
最後に花言葉を添えておきますね。
・控えめな素晴らしさ
・気取らない優美さ
椿の花は色ごとの花言葉もあります。
赤は控えめな素晴らしさ、謙虚な美徳。
白は完全なる美しさ、史上の愛らしさ。
ピンクは控えめな愛、控えめな美。
2022/02/04
生涯学習きっかけ作り塾
2月の伊豆の国市の広報はもうご覧になりましたか?
4月からの新年度のお知らせが載っています。
2022年の伊豆の国市生涯学習課が募集する「きっかけ作り塾」の講座の中に、今年もアトリエNOBUのパンフラワー教室が入りました。
伊豆の国市生涯学習課きっかけ作り塾情報誌
今年は黄色の冊子です
大仁くぬぎ会館、伊豆長岡あやめ会館、韮山時代劇場に配布されていますので、ぜひご覧になって下さいね。
私のバンフラワー教室のチラシも置いてあります。
「文9
粘土で作るお花
パンフラワー教室 」
日時 第2、第4 土曜日
13:30〜16:00
会場 長岡あやめ会館 実習室
定員 8名
講師 天野
連絡先 09014164625
出られない時は折り返し連絡します
受講料 7500円
(500×全15回)
教材費 年額3100円
(消耗品、道具など)
作品により花器代300円かかります
持ち物は作品を持ち帰るためのカゴ、または箱のようなもの。
他はこちらで準備します。
小麦粘土を使って、花びらや葉っぱを手作りした自分の花を一緒に作ってみませんか?
可愛いお花を飾りましょう。
難しい作業はないので、誰でも楽しんで作れますよ。
応募方法は往復はがきで、伊豆の国市生涯学習課までお申し込み下さい。
ご応募お待ちしています。
2022/01/24
山茶花
先日、沼津市へ出向いた先の路地際に複色の山茶花が咲いていました。
赤と白の花びらの組み合わせって大好きです。
でも、パンフラワーとして作るのは難しいですね。
私も作ったことがあるのですが、満足な作品には仕上がりませんでした💦
まだまだです…。
またトライしなければ!
なんて、赤白模様の山茶花をみると思い出しましたが、今思うとあれは山茶花だったのか?
椿だったのか?
今日は山茶花と椿の見分け方についてお話します。
山茶花の開花時期は10〜4月。
椿は12月からですので、山茶花の花の方が先に見られます。
花は雌しべが椿のように筒状にはならず、花も平たいです。
そして散る時は椿のように首からポトッと落ちないで、花びら一枚づつ散っていきます。
葉は椿に比べて小さく、葉の縁には深いギザギザがあり、厚みもあります。
葉の裏を見ると葉脈にそって毛が生えています。
椿の葉には毛が無いし、縁のギザギザもなく、あっても浅いです。
山茶花はよく見ると枝にも毛があります。
椿と同じツバキ科ツバキ属の常緑樹ですが、育っても低木で5m位までです。
椿は20m位まで大きくなったりするのもあります。
見分け方、なんとなくわかりましたか?
冬の花の少ない時期に、葉っぱが茂り、花をたくさんつける山茶花は目立ちますね。
伊豆の国市では、よく家の垣根として植えている家が多いです。
たいがいピンクの花をつけている山茶花が多いので、山茶花はピンクだけかと思っていました。
だから白や赤や複色の花は椿かと(笑)
実は違っていたんですねー💦
沼津市で見かけた山茶花をよく観察してわかりました。
山茶花の花びらには、陰干しして乾燥させてから煎じて飲むと、滋養強壮や胃腸を整える機能があるとのこと。
その場合には、10gの乾燥花を500ccのお湯に入れて半分まで煮詰めたものを、一日一回飲むと良いそうです。
新鮮な葉には消臭・殺菌作用のあるタンニン。
抗炎作用のクロロフィルが含まれているので、すり潰して傷口に塗ると傷が早く治るそうです。
山茶花が民家の敷地に多く植えられているのは、先人たちはそういった効果を知っていたからかもしれませんね。
2022/01/14
カカシ
伊豆の国市の冬は天気がよいせいか暖かいです。
時々天候の悪い日もありますが、長くは続きません。
雪も一年に一回降るか降らないかです。
とはいえ、ずっと屋外にいるのは寒いですね。
でも毎日、真夏も真冬も畑で農作業をしているおばあちゃんがいるんですよ。
と、思っていたら、カカシでした(笑)
カカシ(案山子)
田や畑の中に設置して、作物を荒らす鳥などの害獣を追い払うための田畑に立てる竹や藁などで作った人形。
カカシの語源は「嗅がし」ではないかと言われています。
鳥獣を避けるために、髪の毛や、魚の頭や獣肉を焼いて串に通し、地に立てたものも「かかし」と呼ばれるためです。
嗅覚による方法であり、これが本来のカカシの形であったと考えられています。
でも現代は巨大な目玉の風船や、揺れる物など、動いて鳥を寄せ付けないようにするカカシが多いですね。
(カカシっていうのかしら?)
大きな目を恐れる本能や、動くものに警戒する習性を利用した鳥よけなわけです。
それならば、畑にしゃがんで動かないおばあちゃんは効果があるのかしら?
人が農作業をしている間は、鳥獣は近づきませんが、鳥獣だって学習能力があります。
いっとき音で鳥獣を追い払うやり方も出たようですが、一定の期間がたつと効果がなくなったそうです。
だとしたら、いつも同じ場所に同じ姿勢で動かないおばあちゃんカカシはなんのため?
などと考えてみました(笑)
私の答えは、おばあちゃんカカシが畑のオーナーや地域の皆さん愛されているのではないでしょうか?
地域によってはなんですが、カカシは田の神の依座だとして「カカシ上げ」「カカシ祭」があります。
作物の収穫後、カカシを集めて焼いて祀る行事です。
これを伊豆の国市の農家がしているのかどうかは知りませんが、少なくても何年もおばあちゃんカカシはそこの畑にいます。
鳥獣を払っているかも定かではありませんが、ずっと畑にいるってことは、大切にされているのかな?
本当に、声をかけたくなってしまうようなおばあちゃんカカシなんですよ。
もし、伊豆の国市のイチゴのビニールハウスがたくさんある韮山で、道路沿いの田畑に一人ポツンとしゃがみこんで農作業をしているおばあちゃんがいたら、よく見て下さいね。
おばあちゃんはカカシかもしれませんから。
2022/01/05
千両
明けましておめでとうございます。
2022年ですね。
今年もコロナがまだ収束しませんが、日々の生活や活動が広がっていく事を願っています。
さっそくですが、新年初のお題は「センリョウ」です。
去年、ナンテンについて書きましたが、そのナンテンを分けてくれた伊豆の国市の友人から、今度はセンリョウの枝を分けてもらいました。
新年早々、縁起物があるってなんだか嬉しいです。
去年もらったナンテンはまだ花瓶に活けてあるのですが、紅葉した葉は散ってしまい、今は緑の葉っぱだけついた枝を飾っています。
なので、今回もらったセンリョウには赤い実がたくさんついていて嬉しいです。
センリョウとマンリョウは同じ赤い実で、鑑賞期もほぼ同じなので一緒にされやすいですが、センリョウはセンリョウ科。
マンリョウはサクラソウ科。
実は別物なんですよー。
両方ともお正月の縁起物として人気がありますね。
昔の人は、センリョウやマンリョウなどが小さな赤い実をたわわに成らせる様子に、お金がたくさんたまったように見立てて、縁起物の象徴となったそうです。
センリョウは暑さに強く、寒さにもまぁまぁ耐えられるし、日陰でも育つ常緑小低木。
大きさが80cm〜1m位なので狭い庭でも育つため、伊豆の国市では以外とあちこちの家で見かけます。
ほとんどが赤い実ですが、たまに黄色い実をつけたキミノセンリョウも一緒に植えてあったりします。
共に鑑賞期(実のなる時期)は11月〜1月なので、赤と黄色の実が隣同士にあると綺麗ですね。
花は6月に咲くのですが、とても小さいので気が付かない人も多いと思います。
やはりセンリョウは赤い実とトゲトゲの葉っぱがいいですね!
センリョウは私のパンフラワー教室で、初等科のカリキュラムに入っているんです。
生徒さんは小さな赤い実をたくさん作り、トゲトゲの葉っぱを4枚一組にして実と一緒にガーランドします。
花のパンフラワーを作るのと違い、工程や作業は単純ですが、たくさんの実を作り、葉っぱに切り込みを入れていく作業は面倒くさいですよ。
でも生徒さんは年末に素敵なセンリョウを仕上げて帰りました。
お正月に間に合って良かったです。
私は自分が作ったパンフラワーのセンリョウは、実家に渡したままなので、お友達から本物のセンリョウが届いて嬉しいです。
良い事がありますように。
それでは今年もパンフラワー アトリエNOBUをよろしくお願いします。